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矯正治療の開始時期について顎の成長タイミングの模式図


矯正の開始時期についての情報は非常に少ないですから、患者さんや親御さんは、とても悩まれることと思います。その上、もし適切な時機を逸すると、大変な事態になることもありますから、時期の判断は重要です。

では、どのタイミングでスタートすべきなのでしょうか?
大切なことは、顎の骨の成長と矯正開始の時期を合わせるというです。

上の図を見てください。矢印の横軸は年齢を表しています。その上に帯状に示してあるのが上あご(上顎)と下あご(下顎)の成長時期です。
つまり、7から8才にかけての1年間は上顎の成長期、11才半ばから13才半ばにかけての2年間は下顎の成長期であることが分かります。
矯正治療はこの7才と11才半にスタートして、成長を利用した治療をすることが理想的なのです。


■上顎成長期

上顎は7才から8才にかけての1年間、活発に成長します。そしてこの時に出来上がった上あごの大きさが生涯の大きさとなります。それだけにこの1年間はとても大切であるといえます。

(1)反対咬合の治療
上あごの成長が劣っているため反対咬合になっている患者さんは、この時期にできるだけ上あごを大きくしてあげる必要があります。そのことによって上あごと下あごの前後的ズレを正してあげるのです。

(2)上顎前突の治療
いわゆる出っ歯の患者さんは、この時期に、これ以上上顎が大きくならないように成長を抑えなければなりません。上顎の成長要素が強い患者さんの場合、放置しておくとますます上あごは前方に成長してしまいます。


■下顎成長期

下顎は11才の半ばくらいから、2〜3年間は成長を続けます。期間が長く生長量も多いですから、顎の骨に問題のある患者さんにとって、この時期に治療することはとても大切になります。

(1)反対咬合の治療
この時期に起こる下あごの成長は反対咬合をより悪化させます。したがって、できうる限り下あごの成長を抑える必要があります。また、この時期の成長は、顔のかたちに大きな影響を及えます。それだけにこの時期の治療が重要なのです。

(2)上顎前突の治療
この時期に起こる下あごの成長は、上顎前突の患者さんにとってはとても有利に働きます。この時期はできるだけ下あごが前方に成長するように促進し、上あごと下あごの前後的なズレを小さくしてあげる必要があります。


■開始時期

治療を開始するには、まず不正咬合の原因と骨の関係を見きわめておく必要があります。その上で、骨に原因がある患者さんの場合は、小学校の1〜2年生のころから計画的に顎の骨の位置をととのえておく必要があるのです。

最適な時期を見逃してしまい、成長が終わった後から矯正を始めることも珍しくありませんが、この場合、ズレた土台(顎の骨)の上に家(歯並び)を建てるようなものですから、治療結果はどうしても不自然なものになってしまいます。

それでは逆に、顎の骨の成長が歯並びにあまり関係がないタイプの患者さんは、いつ治療すれば良いのでしょうか。じつは、その場合も顎の骨の成長期に治療するべきなのです。なぜなら、成長期は歯を動かしたときの体の反応が早く、短い期間で矯正を終えられるからです。


すぐに治療を始める予定が無くても、最初のチェックは小学校に上がるときに受けておくと安心です。


■個人差・性差

注意しなければならない点として、成長には性差と個人差があります

具体的な例として、女の子は男の子より1年ほど早く成長期を迎えます。目安として女子は小5、男子は小6位が矯正開始の適齢期と思っていてください。
また顎の成長、特に下あごは身長の伸びと同期して成長します。つまり、一番上の模式図に示した2〜3年というのは、あくまでも成長のピークだと言うことです。男子は「二十歳の誕生日まで背が伸びる」といいますが、顎の成長もピーク後じわじわと続くものです。

矯正治療期間が長い理由の一つに、この成長期間の長さがあります。特に不正咬合の原因に顎の骨の成長が関係している患者さんにとって、「矯正治療期間が短い」「早く矯正治療が終了する」ことは、必ずしも望ましいこととはいえません。成長期間を十分に使い切れないからです。





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